YOGA LIFE sumsuun

アシュタンガヨガで明日を生きやすくする

「バガヴァッド・ギーター」〜ヨギーが読むべき聖典〜 第5章「正しい生き方」

約5分

ヨギー、特にアシュタンギーには是非いつか読んでもらいたい聖典「バガヴァッド・ギーター」とは、どんな物語なのか、一体どんなことをどんなふうに多くの人々に伝えようとしているのか、ということを、とってもわかりやすく解説してくれている上村勝彦さんの著書「バガヴァッド・ギーターの世界」を使って、紹介しています。

をまだ読んでいない方は、そちらからご覧ください。

クリシュナが語る「正しい生き方」とは

さて、ギーター第13章でクリシュナは、正しい生活とはどんなものか、その心得を列挙して説いています。

”慢心や偽善のないこと。不殺生、忍耐、廉直。
師匠に対する奉仕、清浄、堅い決意、自己抑制。”

  • 慢心・・・自分はこれだけのことをしている、、といった気持ちやそれを自慢したり、それに対する反応を他人に期待すること
  • 偽善・・・一見「純粋な目的」に見せながら、不純な動機や利害が隠れている宗教的行為や慈善事業などは有害とされる
  • 不殺生・・・傷つけないこと(身体的暴力、精神的暴力など)
  • 忍耐・・・様々な試練に耐えること
  • 廉直・・・自分の欲望のために嘘をつかない
  • 師匠への奉仕・・・古代インドにおいて師匠とは神に等しい絶対的存在であるため、どんな師匠であってもを尊敬しなければいけない
  • 清浄・・・身体の内側と外側、周囲の環境、心の中全てにおいて清らかであること
  • 堅い決意・・・決意したことを、強い意志を持って持続させること
  • 自己抑制・・・夜出歩かない、酒を飲まない、治安の悪い場所に行かない、自己抑制できない仲間とつるまない、なども含む

アシュタンガヨガやヨーガ・スートラを学んでいる方にはおなじみの「ヨガの八支則」と似ていますね。

「ヨーガ・スートラ」は、賢者パタンジャリが説いたヨガ思想を弟子たちがまとめてできた経典です。
そのヨーガ・スートラを翻訳・解説したさまざまな文献がありますが、ヨガの実践をしていない人、やっていても経験が浅い人がそれらを読解することは、なかなか難しいと思います。
ですが、知ろうとすることが大切で、意味はわからなくてもとりあえずスートラに触れてみるということはしたほうがいいと思います。

今はまだ理解できなくても、実践を続けていれば必ずそれを理解できる段階に辿り着くので、その時に、ああ、これはこういう意味だったんだ、と気づいたり、深く学ぶことができると思います。
「インテグラル・ヨーガ」という文献がとてもわかりやすくて良かったのでオススメです。

古代インドの古い経典に書かれていること全てが、現代に生きる私たちに当てはまる訳ではないのですが、道徳的に当然と思われるものがほとんどなので、理解しやすいかと思います。

食事について

さて、第14章~18章については、難しい内容かつ馴染みが浅いので省略します。

第19章では「三つの構成要素(グナ)」について記載されていますが、この世にある全てのものは、三つの構成要素(純質、激質、暗質)によって構成されており、そのバランスによって、そのものの性質が決まると言われています。このグナについては、過去の記事(ヨガと食の関係)を参照してみてください。

”生命力、勇気、健康、幸福、喜びを増大させ、美味、油質で持続性があり、心地よい食べ物は純質な者に好まれる”

”過度に苦く、酸っぱく、塩辛く、(口などを)焼く、刺激性で、油気がなく、ヒリヒリし、苦痛と憂いと病気をもたらす食物は、激質的な者に好まれる。”

”新鮮でなく、味を失い、悪臭あり、前日に調理された、また食べ残しの、不浄の食べ物は、暗質的な者に好まれる”

ギーターでは、このような「好まれる」といった表現をされていますが、口にするものの性質がそのまま私たちの性質(人格)を決めているとも言えます。

栄養のバランスが取れた、和食のような純質で優しい食事をしていると、心が穏やかでまろやかになるでしょう。

塩気の多い居酒屋のような食事や、辛くて刺激の強い食べ物を毎日食べていたら、興奮したり怒りっぽくなったりします。

添加物だらけで製造から時間が経過したスーパーのお惣菜やコンビニ等の弁当を毎日のように食べていると、ダラダラ怠けやすい性質になっていきます。

もちろん、絶対に激質的な物や暗質的なものを食べてはいけないとは言いませんが、可能な限り、純質なものを口にするようにすれば、私たち自身の性質も純質なものと変わっていくことは間違いありません。
これは実感として多くの方が証明しています。

生活環境について

食べ物については、とてもわかりやすい例だと思いますが、生活環境も同じです。

太陽が出ている間に活動し、暗くなれば休む、暗質な人たち、激質な人たちの中に入らない。

というようにすれば、どう考えても健康上や人間関係のトラブルが激減するはずです。

このような思想に従うことで、自ずと正しい生き方ができると、教えてくれています。

さて、「バガヴァッド・ギーター」〜ヨギーが読むべき聖典ということで、全5章に渡って「バガヴァッド・ギーター」を紹介する記事を書いてみました。いかがだったでしょうか?

現代社会に生きる私たちにとって、馴染みやすいと思われる内容のみを取り上げていますので、もしもっと深く知りたいなと思われた方は、今回参考にさせていただいた上村勝彦さんの著書「バガヴァッド・ギーターの世界」を是非読んでみてくださいね!

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この記事を書いた人

YOGA LIFE sumsuun代表 アシュタンガヨガ指導者Mariko
アシュタンガヨガ正式指導者(SYC Authorized_Lv.2)2012年指導者としての活動を開始。出産・育児による活動休止を経て、2020年より南インドマイソール総本山 Sharath Jois師の下で修行。現在も指導者、実践者として学びを深める。 詳細プロフィール→
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