今更ですが、環境ホルモンって知ってますか?

環境ホルモンとは「内分泌撹乱物質」「ホルモン作用撹乱物質」といって、私たちの身近な環境に蔓延する有害な化学物質のことですが、これがホルモンに似た作用をもたらすので略して「環境ホルモン」と呼ばれています。

 

天然ホルモンの種類

そもそもホルモンって何でしょうか?

焼肉に出てくるアレじゃないですよ!

ここで言う「ホルモン」は、生物の生命そのものや活動性の維持、成長と成熟および生殖機能を担う「情報伝達物質」です。

例えば、

成長ホルモン(成長促進など)

副腎皮質ホルモン(糖・脂質・蛋白代謝、抗炎症・抗アレルギー作用)

エストロゲン(女性ホルモン / 月経発来、動脈硬化抑制、骨吸収抑制、女性的性格形成)

テストステロン(男性ホルモン /生殖器官の成長、男性化、男性的性格形成)

甲状腺ホルモン(全身の細胞に働いてエネルギー代謝や成長発育を促進)

アドレナリン、ノルアドレナリン(血圧上昇作用、心臓賦活作用、糖・脂質代謝)

などがあります。

 

これらのホルモンが正常に作用しなければ、成長や生殖機能や生命の維持さえままならなくなります。

ホルモンは生き物にとって非常に重要な役割を担っているのです。

特に子宮内にいる胎児は、これらのホルモンから通常の何十倍もの影響を受けるといいます。胎児が子宮内で育ち5体満足で体外へ出るまでおよそ十月十日。それに間に合うように凄まじいスピードで成長していくのは、そのホルモンのおかげなのです。

さらに、人の赤ちゃんは、妊娠7ヶ月ごろにやっと性別が決まりますが、それは女性ホルモンと男性ホルモンの分泌が始まり、それぞれの分泌量によって、それに見合う生殖器が形成され性別が決まります。

ホルモン作用撹乱物質(環境ホルモン)とは

さて、ホルモンの作用を撹乱する物質ということですが、一体どういうことなのでしょうか?

実は、「ホルモン様(擬似)物質」ともいって、生殖のための性ホルモンや代謝をコントロールしている甲状腺ホルモンなどの受容体が、本来合体すべきホルモンと似たこの擬似物質と結びつき、その量を異常に増やしたり減らしたりして正常な働きを阻害してしまうという、何とも厄介なやつなのです・・・

 

このような危険な環境ホルモンとして認定されている化学物質には以下のようなものがあります。

・PCB(ポリ塩化ビフェニール)・・・主に可塑剤、塗料、溶剤などに含まれる物質の一つで、現在は製造・輸入ともに禁止されていますが、禁止前に作られた産業廃棄物などの問題は未だ残っています。(※1)

禁止となる大きなきっかけとなったのは、社会の教科書にも載っている昭和43年に起こったカネミ油症事件ですが、このときは食用油の製造過程でポリ塩化ビフェニールなどが混入し、その食用油を摂取した人やその胎児に障害などが西日本一帯で発生しました。その中でも衝撃的なのが、妊婦から真っ黒な胎児が生まれ、2週間後に死亡したという被害もあったそうです。

・殺虫剤DDT・・・これは戦後に農薬での使用が一気に増加した化学物質で、野生生物の大量死などが問題となり、世界各国で全面的に使用が禁止となりました。(※2)

・アルドリン、ディルドリン・・・有機塩素系の殺虫剤。POPs条約により製造、使用は原則禁止(※3)

・ダイオキシン・・・ゴミ処理場、廃棄物等から複数の化学物質が合わさって発生します。煙となって大気中を漂い遠くまで広がります。遠洋・輸入のマグロなどから相当濃度のダイオキシン類が検出。(※4)

・ビスフェノールA・・・缶詰やプラスチック容器などに使用され、食品に溶け出して体内に取り込まれる。(※5)

・揮発性有機化合物・・・常温常圧で大気中に容易に揮発する有機化学物質の総称(トルエンベンゼンフロン類ジクロロメタンなど)溶剤、燃料に使われる。

その他

※上記は製造中止・使用禁止となっているものが含まれていますが、この環境ホルモンは長期にわたって影響を受ける可能性があるため、参考までに挙げています。

そして、これらの環境ホルモンに暴露する(晒される)と、以下のようなことを引き起こす可能性が高くなるといわれています。

不妊症、生殖器異常、乳がん、前立腺癌、多動症、注意散漫といった子どもに見られる神経障害、野生生物の発達および生殖異常、生殖機能の低下、卵巣や精巣の萎縮、精子数の減少、免疫系や発育の抑制、子宮や輸卵管の奇形

 

特に、胎内で、あるいは母乳を介して母親から子供へ譲渡される有害物質はほんのわずかな量でもかなりの悪影響(具体的には、性発達障害、行動および生殖異常)をきたすという研究結果が出ています。

子宮内でのどの成長のタイミングで、どんな環境ホルモンに暴露したかで、結果は変わりますが、例えば、神経器官が作られるタイミングであれば、発達障害の可能性、生殖器形成のタイミングであれば、性同一性障害や不妊症、がん等の可能性が出てくるというわけです。

環境ホルモンへの対処法

環境ホルモンは、主に口・皮膚・呼吸などによって体内に取り込まれ、脂肪細胞に残留します。

それを踏まえて、日常生活を送る中で気をつけたいことを以下に挙げたいと思います。

春の山菜で化学物質をデトックス

・食品添加物を避ける

・無農薬野菜を選ぶ(またはよく洗い流して食べる)

・プラスチック製の食器やラップはなるべく避ける(使用するときは加熱しない)

・加工食品を避け、新鮮な食材を調理して食べる

・肉は脂肪(化学物質残留)部分を取り除く

・輸入缶詰やペットボトル飲料は避ける(内側に防腐剤などのコーティングがされている)

・妊娠中の女性や子どもは特にマグロやメカジキなど大きな魚を食べない(汚染された環境における食物連鎖では、大きい生物ほど毒性が濃縮されて危険)

・「パラベン」「オキシベンゾン」「トリクロサン」「香料」を含む化粧品や洗剤、柔軟剤、シャンプー、入浴剤、石鹸等、芳香剤、消臭剤、制汗剤の使用を避ける

・妊産婦や子どもの近くでの、ガーデニング農薬や殺虫剤、ペット用殺虫剤の使用を避ける

・新築・改築の家、新しい家具、カーペット、塗料などからの臭気を避ける

・「抗菌」製品、「ポリ塩化ビニール」製品、「防水スプレー」などは使わない


厳密に言えば、もっと気をつけなければいけないことはあるのでしょうが、とりあえずこれだけでも環境ホルモンからの影響を減らすことは十分できるはずです。

今や、この地球上に存在するかぎり、環境ホルモンに全く影響を受けない生物などいないといわれています。

それでもなお、子供達の未来に、ガスマスク着用が義務付けられるようなことは絶対に避けなければなりません。

この危機的状況を回避する方法

・自分はもちろん、子供達もが晒されている化学物質の正体を知ること
・そうした有害物質に現代科学はどう取り組んでいるのか?を知ること
ホルモン撹乱物質を作らないこと
すでに蔓延しているホルモン様汚染物質にできるだけ暴露しない様にすること

そのために不可欠なこと

1. 科学的研究
2. 企業による化学物質、製造過程、製品の見直しと政府による新たな環境政策
3. 各個人による家族ぐるみの自衛策

特に成長過程にある子供や妊婦をできるだけ化学物質にさらさない様に強く意識すべきだと思います。

 

というわけで、今回は、環境ホルモンについて、私が今学んでいることをシェアしました。

参考にした本は以下の通りです。興味のある方は是非是非、一緒に学んでいきましょう!

注釈

※1 環境省公式「PCBとは?なぜ処分が必要か?」http://pcb-soukishori.env.go.jp/about/pcb.html

※2 第二次世界大戦時、死体に集まるハエの駆除として使われたのが最初、戦後のシラミ対策にも使用。発展途上国ではマラリア対策で使用。

※3 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000578448.pdf

※4 廃棄物の焼却処理過程においての発生が一番多く、その他、金属精錬施設、自動車排ガス、たばこの煙などから発生するほか、山火事や火山活動などの自然現象などによっても発生する

※5 厚生労働省 ビスフェノールAについてのQ&A
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kigu/topics/080707-1.html

【更科有哉ワークショップ in 福岡】開催のお知らせ

ついに念願だった更科有哉さんのワークショップを福岡県那珂川市の中山間地域「南畑」で開催することになりましたー!

今回はsumsuunで初めての開催ですので、2日に渡りヨガ未経験者から上級者までご参加いただけるプログラムにしました!

*人気講師のため、早めのお申込みをオススメします。

▼更科有哉プロフィール

1977年生まれ、北海道出身。インド・マイソール KPJAYI にてSharath Joisに師事。 2010年 アシュタンガヨガ正式指導者資格(Authorization)を与えられ、2011年 Authorization Level 2。2017年ムック「男のヨガ」監修(宝島社)。2018年『情熱大陸』に出演。

更科有哉
更科有哉先生

▼イベント概要

日 程:
2021/5/15(土),16(日)
時 間:
5/15(土) ①09:00-11:00 ②12:30-14:30
5/16(日) ③09:00-11:00 ④12:30-14:30
場 所:
中ノ島公園(公園内施設の四季彩館)※駐車場あり
福岡県那珂川市市ノ瀬445-1
Googleマップで見る→
アクセス:
公共の交通機関の方はJR博多駅より「JR博多南駅」までお越しいただき、かわせみバスにて「市ノ瀬」または「中ノ島公園」で下車
かわせみバスの時刻表を見る→
持ち物:
ヨガができる動きやすい服装、ヨガマット、水分など
昼食は各自ご用意いただくか、公園内売店にてご購入ください。
参加費:
4,500円/1class
定 員:
各クラス 17名
講 師:
更科 有哉

▼クラス詳細

ーーーーーーー5/15(土)ーーーーーーー

①午前(9:00~11:00)
[Mysore Class マイソールクラス]
マイソールクラスは、アシュタンガヨガの総本山である南インドマイソールをはじめ、世界中で行われている伝統的な練習方法です。
各自のペースで自主練習を行い、必要に応じて個別に指導をするスタイルですので、初心者から上級者までどなたでも有意義な練習ができます。
②午後(12:30~14:30)
[Ashtanga Yoga Basic ベーシック]
※ヨガ未経験者もOK
アーサナはポーズの完成形に向かうことも大事なことですが、最もその効果や恩恵を受けるためにはどのように練習すればよいかなどを、わかりやすく丁寧に座学と実践を交えて指導します。
・呼吸について
・ドリシュティ(視点)について
・ヴィンヤサ(呼吸と動きの調和)について
これらを意識しながら太陽礼拝からパールシュヴォッタナーサナくらいまでの、最も基本的なシークエンスを練習してみましょう。

ーーーーーーー5/16(日)ーーーーーーー

③午前(9:00~11:00)
[Mysore Class マイソールクラス]
※②を受けた場合はヨガ未経験者もOK
マイソールクラスは、アシュタンガヨガの総本山である南インドマイソールをはじめ、世界中で行われている伝統的な練習方法です。
各自のペースで自主練習を行い、必要に応じて個別に指導をするスタイルですので、初心者から上級者までどなたでも有意義な練習ができます。
④午後(12:30~14:30)
[Intermediate series Research]
インターミディエイトシリーズとは、どんなシークエンスなのか?プライマリーシリーズとの違いや効能などを、実践を踏まえながら学んでいきます。これからインターミディエイトシリーズへ進みたい、もしくは進みはじめた方にオススメのクラスです。

▼申込みについて

[通常受付 4/12~]
現在、先行受付を終了し、class数を問わず、皆さまからのお申込みを受け付けております。
*ヨガ未経験者が2classを受ける場合は②と③をオススメします。
↓以下の申込みフォームよりお申込みください。

▼お支払いについて

お支払いは「銀行振込」でお願いします。
フォーム送信後24時間以内に、振込先を記載した案内メールをお送りしますので、1週間以内にお振込ください。

入金の確認をもちまして参加の受付完了とさせていただきます。期日までに入金の確認が出来なかった場合は、キャンセル扱いになりますのでご了承くださいませ。

▼キャンセルについて

*開催日の2週間前までのキャンセル→0%
*開催日の7日前までのキャンセル→50%
*開催日の6日前以降のキャンセル→100%
のキャンセル料を頂戴致しますので、ご了承ください。

香害を無くしたい!健康被害・精神疾患・環境、空気、土壌の汚染問題について考える

柔軟剤に代表される「香り付き製品」に悩んでいる方、気になる方、最近は増えてきているのではないでしょうか。

私たちは、洗剤なしで洗濯や食器洗い、掃除をし、シャンプーはお湯かハーブシャンプー、落ちない汚れには、無添加のシャボン玉石けんや胆汁石鹸を使用するくらいで、そのほか一切の洗剤系商品を使っていません。

それもあって、私たちの嗅覚は「人工香料」で麻痺した人とは異なり自然のあるがままなので、麻痺した人からすると、とても敏感な人のように見えているかもしれません。

しかしながら、嗅覚は人の五感の中で最も原始的な感覚です。

ほとんどの動物が、餌を見つけたり外敵の危険を知るのに、この嗅覚を頼りにしています。私たちも然り、ニオイによって食物の美味しさや安全性を感じます。また、安心できる匂い(赤ちゃんにとっての母乳の匂い、など)に幸福感を感じたり、精神状態にも強く影響を与えています。

ですが、強い人工香料による芳香を嗅ぎ続けることにより嗅覚は鈍感になります(嗅覚疲労)。

広告を鵜呑みにして悪い商品を良いものだと思い込み、さらに嗅覚疲労によって柔軟剤等の害に気づくことができずに、衣類に付着したり空気中を漂っている化学物質を日常的に吸い続けて、自分や周囲の健康を阻害しているのです。

さて、近年、国内外で香害をなくすための様々な活動が、少しずつですが行われています。

大河原雅子衆議院議員(立憲民主党)が、2月26日の国会予算委員会第四分科会で「香害」について、教育現場から変えていこうと、文科省へ質問と香り付き製品の使用自粛を要求してくださっています。

また、NHKやその他民法のニュース番組等でも取り上げられることが出てきました。

街中の人混みや満員電車が辛くて通学や通勤ができなくなってしまった方、それでもなんとか頑張ってらっしゃる方、訴えることができないペットや小さな子供達、そして、もちろん、こんなに害があるものと知らずに使い、それによって気づかないうちに健康被害を被っている人・・・。このままでは、あまりに不憫です。

私も人ごとではいられなくなり、声を上げていこう!と思うようになりました。

香害その他の環境問題に関する情報サイトリンク集

香害について詳しく知りたい方は、以下のページ等を参考にされてください。

パンフレット「STOP!香害ー香りに苦しんでいる人がいます」のご案内(ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議)

原因が香害だけでなくシックハウスや食品添加物等、様々な原因が元となる「化学物質過敏症」については、以下をご覧ください。

化学物質過敏症支援センター

洗剤のいらないお洗濯「洗濯マグちゃん」

「バガヴァッド・ギーター」〜アシュタンギーが読むべき聖典〜 第5章「正しい生き方」

ヨギー、特にアシュタンギーには是非いつか読んでもらいたい聖典「バガヴァッド・ギーター」とは、どんな物語なのか、一体どんなことをどんなふうに多くの人々に伝えようとしているのか、ということを、とってもわかりやすく解説してくれている上村勝彦さんの著書「バガヴァッド・ギーターの世界」を使って、紹介しています。

「バガヴァッド・ギーター」〜アシュタンギーが読むべき聖典〜 序章
「バガヴァッド・ギーター」〜アシュタンギーが読むべき聖典〜 第1章
「バガヴァッド・ギーター」〜アシュタンギーが読むべき聖典〜 第2章「不滅の存在」
「バガヴァッド・ギーター」〜アシュタンギーが読むべき聖典〜 第3章「平等の境地」
「バガヴァッド・ギーター」〜アシュタンギーが読むべき聖典〜 第4章「調和のとれた生活」
をまだ読んでいない方は、そちらからご覧ください。

さて、ギーター第13章でクリシュナは、正しい生活とはどんなものか、その心得を列挙して説いています。

”慢心や偽善のないこと。不殺生、忍耐、廉直。
師匠に対する奉仕、清浄、堅い決意、自己抑制。”

慢心・・・自分はこれだけのことをしている、、といった気持ちやそれを自慢したり、それに対する反応を他人に期待すること

偽善・・・一見「純粋な目的」に見せながら、不純な動機や利害が隠れている宗教的行為や慈善事業などは有害とされる

不殺生・・・傷つけないこと(身体的暴力、精神的暴力など)

忍耐・・・様々な試練に耐えること

廉直・・・自分の欲望のために嘘をつかない

師匠への奉仕・・・古代インドにおいて師匠とは神に等しい絶対的存在であるため、どんな師匠であってもを尊敬しなければいけない

清浄・・・身体の内側と外側、周囲の環境、心の中全てにおいて清らかであること

堅い決意・・・決意したことを、強い意志を持って持続させること

自己抑制・・・夜出歩かない、酒を飲まない、治安の悪い場所に行かない、自己抑制できない仲間とつるまない、なども含む


アシュタンガヨガやヨーガ・スートラを学んでいる方にはおなじみの「ヨガの八支則」と似ていますね。

古代インドの古い経典に書かれていること全てが、現代に生きる私たちに当てはまる訳ではないのですが、道徳的に当然と思われるものがほとんどなので、理解しやすいかと思います。

さて、第14章〜18章については、難しい内容かつ馴染みが浅いので省略します。

第19章では「三つの構成要素(グナ)」について記載されていますが、この世にある全てのものは、三つの構成要素(純質、激質、暗質)によって構成されており、そのバランスによって、そのものの性質が決まると言われています。このグナについては、過去の記事(ヨガと食の関係)を参照してみてください。

”生命力、勇気、健康、幸福、喜びを増大させ、美味、油質で持続性があり、心地よい食べ物は純質な者に好まれる”

”過度に苦く、酸っぱく、塩辛く、(口などを)焼く、刺激性で、油気がなく、ヒリヒリし、苦痛と憂いと病気をもたらす食物は、激質的な者に好まれる。”

”新鮮でなく、味を失い、悪臭あり、前日に調理された、また食べ残しの、不浄の食べ物は、暗質的な者に好まれる”

ギーターでは、このような「好まれる」といった表現をされていますが、口にするものの性質がそのまま私たちの性質(人格)を決めているとも言えます。

栄養のバランスが取れた、和食のような純質で優しい食事をしていると、心が穏やかでまろやかになるでしょう。

塩気の多い居酒屋のような食事や、辛くて刺激の強い食べ物を毎日食べていたら、興奮したり怒りっぽくなったりします。

添加物だらけで製造から時間が経過したスーパーのお惣菜やコンビニ等の弁当を毎日のように食べていると、ダラダラ怠けやすい性質になっていきます。

もちろん、絶対に激質的な物や暗質的なものを食べてはいけないとは言いませんが、可能な限り、純質なものを口にするようにすれば、私たち自身の性質も純質なものと変わっていくことは間違いありません。これは実感として多くの方が証明しています。

食べ物については、とてもわかりやすい例だと思いますが、生活環境も同じです。

太陽が出ている間に活動し、暗くなれば休む、暗質な人たち、激質な人たちの中に入らない。

というようにすれば、どう考えても健康上や人間関係のトラブルが激減するはずです。

このような思想に従うことで、自ずと正しい生き方ができると、教えてくれています。

さて、「バガヴァッド・ギーター」〜アシュタンギーが読むべき聖典ということで、全5章に渡って「バガヴァッド・ギーター」を紹介する記事を書いてみました。いかがだったでしょうか?

現代社会に生きる私たちにとって、馴染みやすいと思われる内容のみを取り上げていますので、もしもっと深く知りたいなと思われた方は、今回参考にさせていただいた上村勝彦さんの著書「バガヴァッド・ギーターの世界」を是非読んでみてくださいね!

 

解決!産後の尿もれ問題

自然分娩で出産経験がある方の多くは、この尿もれ問題がとても深刻になっていると思います。

実は私もその一人でした。

15年くらい前からヨガをし始めて、7年前に自然分娩で娘を出産、ヨガのおかげで、安産でした。

産後の経過も特に問題なかったのですが、ある日抱っこ紐で娘を抱えて徒歩で買い物に行った時、初めて尿もれを体験しました。

じゃじゃっ・・っと失禁して「あっ!!」となったことを思い出します。

 

この深刻な悩み「尿もれ」について、産婦人科の先生や泌尿器科の先生に詳細を聞き、その原因と考えられる事柄と自分の場合とを照らし合わせて考察した結果、これを解決する対処法がわかりました。

きっと同じようなケースの方が多いと思いましたので、ここでシェアしたいと思います。

 

よくある尿漏れについて

尿もれには、骨盤底筋群の筋力低下により尿もれする【腹圧性尿失禁(ふくあつせいにょうしっきん)】と、自律神経の乱れなどによって過活性膀胱(かかつせいぼうこう)となり尿もれする【切迫性尿失禁(せっぱくせいにょうしっきん)】があります。

腹圧性尿失禁】

ジャンプ、走る、重い荷物を持つ、くしゃみをする、などで、お腹に力が入った時に失禁するケース。

自然分娩での出産を経験された方の産後の膣周りは、かなり悲惨な状態になっていたはずです。

小さな赤ちゃんとはいえ、人間が通って出てきたわけですからね。

そして、妊娠期〜産後の数年をかけて、ホルモンの状態がかなり変化しますが、それに伴い、骨盤周りの靭帯も伸びたり縮んだりしてきました。

もちろん個人差もありますが、そういったことで、骨盤底筋群の筋力が低下するのは当然です。骨盤底筋群の筋力が低下すれば、内臓が骨盤の下に落ちてくるのを支えられないので、膀胱が圧迫されて尿が漏れるのです。

<対処法>

骨盤底筋群を鍛えましょう。

・椅子に座り、肛門を15秒締めましょう。一息置いて、数回繰り返す。

・仰向けに横たわり、腰幅に膝を立て、お尻の下で手を組んで腰を高く持ち上げる。その時に骨盤底筋を引き締めるようにして10回呼吸する。

【切迫性尿失禁】

急に尿がしたくなり、我慢できずに失禁してしまうケース。

病院などでは、その多くが原因不明と言われていますが、尿意というのは自律神経によって操作されるので、主に自律神経のバランスが乱れた時に、尿意も乱れ、頻尿・過活動膀胱の症状が起こりやすくなるということのようです。

自律神経は、睡眠の乱れ、寒暖の差、生理前、気圧の変化などによっても影響を受けるので、そのような時に起こることが多いのではないでしょうか。

 

<対処法>

・腹巻きをする、カイロを使うなどして内臓を温め、冷えないようにする

・しっかりと睡眠をとり規則正しい生活を心がける

・食生活を整える

・毎日お風呂に浸かる

 

自律神経を整えるには、ヨガをするのもおすすめですし、以下のような呼吸法を試してみるのもいいかもしれません。

できるだけ薬に頼りたくない私は、体を冷やさないことと、睡眠をしっかり取ることで自律神経が乱れないように心がけ、尿もれすることはなくなりました。(骨盤底筋群を日頃から鍛えておくことは大前提です^^)

是非お試しください!

子供にアシュタンガヨガを教えることについて

早いもので、私の娘、今春から小学生になります。

娘は夫と「小学生になったら、アシュタンガヨガを始めようね」って約束をしています。

そういうこともあって、最近子供がヨガを始めることについてよく考えるようになりました。

ヨガは「心身の健康と安定性、強さ、柔軟性などを養い、どのようなことが起きても冷静に客観的に対処できる」ようになるための練習です。

 

人生は車の運転と同じです。

運転者の心身が健康で、安全運転を心がけていれば、そうそう事故に遭うものではありません。

もちろん、理不尽な貰い事故のようなものもあるでしょうが、多くは脇見していたとか、イライラして荒い運転をしていたとか、ぼーっとしていたとか、居眠りしちゃったとか、最近よくニュースで見かける、持病があり運転中に気を失って大事故を起こす、とか・・・。

身体が健康でなく、心が安定しておらず、冷静ではない状態であることが原因の多くを占めています。

また、車の窓ガラスは心と同じで、いつも綺麗にしていなければ、どんどん汚れて、曇って、道や周囲の様子が全然見えません。見えなければ、不安で不安でまっすぐ進むことはできないし、見えないまま無謀に進めば壁に衝突したり、人を巻き込んで命に関わる大事故を起こします。

怖いですね。

でもこれって人生でも全く同じことが言えますね。

自分の生まれ育った環境や出会った人との関係性などによって形成された、他人と全く異なる心の癖や色眼鏡で、人と交流する訳なので、衝突しないわけがありません。

それに加えて、心身が健康でないと不安だし、冷静な判断や客観的な思考、集中力がないとなると、どう考えても上手に人生を歩いていける気がしません。

 

私もヨガをまだ知らなかった20代後半までは、まさに汚れた窓ガラス(無知・迷妄)で無謀な運転(人生)を繰り返していましたよ。ですから、大事故をたくさん起こしましたし、人をたくさん傷つけてしまいました。なかなか自立できず、もうどのように生きていけばいいのか全くわかっていませんでした。

ですが、ヨガと出会い、車の窓ガラス(心)を自分で磨くことを覚えました。

道が見え、周囲の状況が見え、安全運転の仕方がわかるようになりました。

心から、ヨガと出会えてよかったと思います。

 

経験が未熟な子供にそのようなことを言葉で伝えてもピンとこないでしょうし、難しいかもしれません。

ただ、子供の場合、まだ窓ガラスがほとんど汚れていないので、ちょっと拭けばピカピカになるのは早いですし、純粋であればあるほど、判断力や思考力が養われるスピードは早く、そこから先も自然と正しい道を選択するようになるので、親としても安心して見守っていられるはずです。

 

ヨガは「生き方そのもの」であり、「より良く生きる技術」でもあります。

呼吸とアーサナで、強くしなやかで健康な心身を育て、連続した動きを続けることで集中力を高めます。

そして自分のうちにある「神聖さ」を信じ、感謝する心を養います。

 

今はまだ意味がわからなくても良いから、是非子供たちに早いうちからヨガをしてもらいたい、と思います。

 

 

 

「バガヴァッド・ギーター」〜アシュタンギーが読むべき聖典〜 第4章「調和のとれた生活」

ヨギー、特にアシュタンギーには是非いつか読んでもらいたい聖典「バガヴァッド・ギーター」とは、どんな物語なのか、一体どんなことをどんなふうに多くの人々に伝えようとしているのか、ということを、とってもわかりやすく解説してくれている上村勝彦さんの著書「バガヴァッド・ギーターの世界」を使って、紹介しています。

「バガヴァッド・ギーター」〜アシュタンギーが読むべき聖典〜 序章
「バガヴァッド・ギーター」〜アシュタンギーが読むべき聖典〜 第1章
「バガヴァッド・ギーター」〜アシュタンギーが読むべき聖典〜 第2章「不滅の存在」
「バガヴァッド・ギーター」〜アシュタンギーが読むべき聖典〜 第3章「平等の境地」
をまだ読んでいない方は、そちらからご覧ください。

 

さて、前章の最後にお伝えした「ヨーガのもとに行為を行う」とは、具体的にどうすれば良いのでしょうか。

仕事や家庭を大切にし、社会的な義務を果たしながら、ヨーガの実践(アーサナ、呼吸、瞑想など)を日常的に行い、常に学びを深めようと努める(常修)ほか、自分に与えられた役割(行為)を、その結果に執着せずに行うということ。

そして、その行為は”絶対者に捧げるもの”でなければならないとされています。つまり、自分にとっての利益のためではなく、神に捧げものをする様な気持ちで行為を行いなさい、ということです。この辺りはちょっと難しい内容なので、詳しく知りたい方は、上村さん著の「バガヴァッド・ギーターの世界」で、ご確認いただければと思います。

そして、バガヴァッド・ギーターでは、具体的な生活の仕方についても言及しています。

それはズバリ『調和のとれた生活』をすることから始まります。

食べ過ぎる者にも、全く食べない者にも、睡眠を取り過ぎる者にも、不眠の者にも、ヨーガは不可能である。
節度を持って食べ、散策し、行為において節度を持って行動し、節度を持って睡眠し、目覚めている者に、苦を滅するヨーガが可能である。

ギーターで書かれていることは、意外と常識的です。

ゴータマ・ブッダは苦行は意味がないと悟って、断食や睡眠をとらない、などの苦行の一切をやめ、瞑想を行い解脱しました。

また、インドの伝統的な医学アーユルヴェーダでは、食べ過ぎはよくないが、極端な断食はするべきでないとしています。また、食後に散策することを勧めています。睡眠についても同様で、寝すぎも不眠もよくない、としています。

当然ですが、なんでも極端なことをすると、健康を害し体が衰弱するので、体力も気力も失います。

そんな状態でヨーガができるはずありませんから、節度を持って、調和のとれた生活をして、心身を健康に保つことが、「苦を滅するヨーガ」を実現する必須条件とされているのです。

この様にして、ヨーガという絶対の境地を目指す求道者は、そうではない苦行者や知識人や祭式を行うものよりも、優れているとされます。

ヨーガのもとに行為を行うことはつまり、心身を健康に保ち、調和のとれた平和な暮らしを送れる様に努めることとも言えますね。

病気もせず、対人トラブルもなく、精神も安定して、何かに縛られることなく自由な生き方ができる。これ以上幸せなことはありませんね。

次回は、ギーターの中でクリシュナが説く、「正しい生き方」について触れてみたいと思います。

「バガヴァッド・ギーター」〜アシュタンギーが読むべき聖典〜 第3章「平等の境地」

ヨギー、特にアシュタンギーには是非いつか読んでもらいたい聖典「バガヴァッド・ギーター」とは、どんな物語なのか、一体どんなことをどんなふうに多くの人々に伝えようとしているのか、ということを、とってもわかりやすく解説してくれている上村勝彦さんの著書「バガヴァッド・ギーターの世界」を使って、紹介しています。

「バガヴァッド・ギーター」〜アシュタンギーが読むべき聖典〜 序章
「バガヴァッド・ギーター」〜アシュタンギーが読むべき聖典〜 第1章
「バガヴァッド・ギーター」〜アシュタンギーが読むべき聖典〜 第2章「不滅の存在」
をまだ読んでいない方は、そちらからご覧ください。

 

そもそもインドでは、良い行為を行えば良い結果を生み、悪い行為を行えば悪い結果を生む、と考えられてきました。これを「カルマ」(漢訳仏典では「業(ごう)」)といいます。

初期仏教など、修行に励むために一般の社会を捨てることを勧めている宗教もあったようですが、ヒンドゥー教や「ギーター」においては、社会的な義務を果たすこと、全うすることを重要視しています。

しかしながら、社会的義務を果たすことによって、罪悪を犯すことになってしまう人も、中にはいます。

アルジュナのような戦士、軍人などは、戦いの相手を殺すことになるからです。

さて、自分は一体どうすれば良いのかを問う戦士アルジュナに、クリシュナはこう答えます。

苦楽、得失、勝敗を平等(同一)のものと見て、戦いに専心せよ。そうすれば罪悪を得ることはない。

この世の全てを、平等のものと見れば、行為の結果に縛られず、苦しむことがないというのです。

ギーターの中で非常に有名な句があります。

あなたの職務は行為そのものにある。決してその結果にはない。行為の結果を動機にしてはいけない。また、無為に執着してはならない。

無為に執着する、とは、例えば修行のために社会生活を捨てる、などの行為を指しています。ヒンドゥー教の考え方として、人は「学生期(勉学に励む)」「家長期(家庭を持つ)」「林住期(森に隠遁)」「遊行期(聖地巡礼)」という「四住期」を経ることが理想的な生涯とされるからです。

さて、「成功すれば果報がある」「失敗すれば悪い結果を招く」とあれこれ考えすぎて仕事に失敗してしまうことは、私たちの日常においてよくあることです。

後先のことを何も考えずその行為そのものに集中していれば、とても良い結果を得られるということも。

しかし、たとえそれを頭で理解していても、実際に結果を考えずに行為に専念するというのは、なかなか難しいというのも事実です。

では、どうすれば良いか?

クリシュナは、アルジュナに「ヨーガに拠り所を求めるべき」と説きます。

これまで、ヨガや瞑想を実践してこられた方は、このことがとてもよくわかると思います。

例えば、このポーズができた!と喜ぶ。このポーズができない・・・と落ち込む。このポーズがきつい!嫌だ。このポーズは楽だから好き。先生が見ているから気合が入る。誰も見ていないから楽をしよう。

と、いう風に、自分の行為や起こる現象に対して一喜一憂したり心を揺らすのではなく、どんな状況であっても常に一定の安定した心を保つ練習、それがヨガの実践ですよね。

つまり、私たちは、このヨガの実践において、平等の境地を目指しているわけですが、それは一体何のためか。

それは、不安定な心身に振り回されて苦しまないためです。

些細なことから大きな出来事に到るまで、何が起きても平静に、対処し、解決していく力を育てているのです。

執着を捨て、成功と不成功を平等(同一)のものと見て、ヨーガに立脚して諸々の行為をせよ。ヨーガは、平等の境地であると言われる。


「知性(ブッディ)の確立」=ヨーガの完成

クリシュナは、平等の境地に至る人は「知性(ブッディ)」が確立した人であり、心の最も真相の部分の働きにおいてもなお動じることはなく、結果に束縛されないと言います。

アルジュナは、それは具体的にどんな人なのか?クリシュナに問います。どのように語り、坐し、歩むのか、特徴を知りたい。と。

不幸において悩まず、幸福を切望することなく、愛執、恐怖、怒りを離れた人は、叡智が確立した聖者と言われる。

すべてのものに愛着なく、種々の善悪のものを得て、喜びも憎みもしない人、その人の智慧は確立している。

亀が頭や手足を全て収めるように感官の対象から感官を全て収める時、その人の智慧は確立している。

(人が感官の対象を思う時、それらに対する執着が生まれる。執着から欲望が生じ、欲望から怒りが生じる。怒りから、迷妄が生じ、迷妄から記憶の混乱が生じる。記憶の混乱から知性の喪失が生じ、知性の喪失から人は破滅する。)

人は誰でも、ヨーガのもとに、行動・行為することで、平等の境地に至り、知性を輝かせることができるのだと、だから、何も考えずにやりなさい、ということなのです。

では、一体どのようにして、ヨーガのもとに行動・行為に専心すれば良いのか、その具体的な方法について、次回は書きたいと思います。

「バガヴァッド・ギーター」〜アシュタンギーが読むべき聖典〜 第2章「不滅の存在」

みなさんこんにちは!

ヨギー、特にアシュタンギーには是非いつか読んでもらいたい聖典「バガヴァッド・ギーター」とは、どんな物語なのか、一体どんなことをどんなふうに多くの人々に伝えようとしているのか、ということを、とってもわかりやすく解説してくれている上村勝彦さんの著書「バガヴァッド・ギーターの世界」を使って、紹介しています。

「バガヴァッド・ギーター」〜アシュタンギーが読むべき聖典〜 序章「バガヴァッド・ギーター」〜アシュタンギーが読むべき聖典〜 第1章をまだ読んでいない方は、そちらからご覧ください。

 

さて、ここからはいよいよ賢者クリシュナがアルジュナに教え説く内容をみていきます。

「敵側にいる自分の親類や友人たちを殺してまで自分は生き延びたいとは思わない」と言ったアルジュナにクリシュナはこう答えます。

「賢者とは、死者についても生者についても嘆かないものだ」

それはなぜか?

「我々は、存在しなかったこともなく、存在しなくなることもない」

実は私たちは、永遠不滅の「主体」、生まれたり死んだりしない存在であって、ある一定期間、ある身体に入り込んで、ある時期をすぎると、その身体を捨ててまた別の身体に入るということを永遠に繰り返しているものである、というのです。

「個人の主体となるものは、その身体において少年期、青年期、老年期を経て、また別の身体を得る」

ここでの主体というのは、いわゆる霊魂みたいなもののことです。

その霊魂が、ある肉体に入り込んで(生命誕生)、少年期、青年期、老年期を経て、やがてその肉体が死に至る時、主体である霊魂は、その肉体を脱いで別の肉体へと入り、また同じように、「人生」を歩む。

それを繰り返すことを「輪廻」と言います。

この「輪廻」という思想は仏教にも取り入れられているので、日本人であれば馴染みのある話かなと思います。

「しかしながら物質との接触は寒暑、苦楽をもたらし、来たりては去り無常であるので、それに耐えよ」

そして、肉体を持つ限り、物質との接触は避けられず、寒暑や苦楽を体験することになるし、生まれれば必ず死ぬわけなので、私たち生きとし生けるものは全てそれに耐えるしかない。ということなのです。

クリシュナは、肉体は滅んでも個人の主体は常に存在し不滅であるから、この戦いにおいて彼(相手)が死んでも、彼の主体は存在し続ける、だから嘆く必要はない、と言っています。

生き物は、輪廻の道理によって生死を繰り返しているのであって、どのような死に方をするかも輪廻の道理によるわけで、そのような不可避のことに嘆く必要はない。

だから、たとえアルジュナが相手を攻撃することで、相手が死に至るとしてもそれはそういう輪廻の道理によるものだと。

でもアルジュナとしては、人を殺すことは悪いことであって、悪いことをすれば、その罪は消えない、と恐れます。

それでは、ギーターは人殺しも戦争も良しとしているのではないか?という疑問も湧いてきますね。

でも、決して人殺しや戦争をここで勧めているのではありません。

ギーターでは一般的な道徳を守るべきだということも説いていますので、これはあくまでこの状況においての表現であることを誤解なきように。

日常的なレベルで「生」も「死」も同じだと言っているのではなく、ある非常に高い境地に達したときにそれらは同じものになり全てが平等になるということなのです。

しかも「戦うことが義務」である、アルジュナのような戦士が、戦地で、自分の恐れや悲しみという感情に振り回され、自分の義務を放棄することは、かえって罪悪を生むだけでなく、不名誉なことだと人々に語り継がれ、結局は苦しみが大きくなる、だから戦うべきだとクリシュナは言います。

さあ、追い込まれたアルジュナ、一体どうすればよいのでしょうか?

その答えは、次回またお話しいたします。

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「バガヴァッド・ギーター」〜アシュタンギーが読むべき聖典〜 第1章

さて、「バガヴァッド・ギーター」が、インド人にとってどんなものか、そして日本人にとっても実は馴染みやすそうなものだということはおわかりいただけたのではないでしょうか?

「バガヴァッド・ギーター」〜アシュタンギーが読むべき聖典〜 序章はこちらからお読みください。

バガヴァッド・ギーターは、世界最大の叙事詩「マハーバーラタ」の一編で、舞台は親族間で起こった大戦争でしたね。

「マハーバーラタ」は、全体的に「時間」「死神」「運命」などを表す言葉「カーラ」に支配される人間の虚しさを軸として、おびただしい数の物語や神話、伝説が盛り込まれています。

そしてその中の一編「バガヴァッド・ギーター」には、

この世に生まれたからには、たとえどのような行為であっても、自分に定められた行為に専心すること

でそのような苦悩を超越できるのだ、というような哲学的宗教的なことが書かれています。

ギーターは約二千年間にわたり、インドの知識人に計り知れない影響を与えました。

そしてフランス語や英語、ドイツ語などで書かれた翻訳、研究書、紹介書などもおびただしい数になり、インド国外でも高く評価され、多くの芸術家や文学者からも愛されてきました。

ギーターは、ヨーロッパなどではそれほど影響力のあるものなのですが、残念ながら日本ではインドの文化や宗教に関心がある人にしか知られていないのが現状です。

ということで、「バガヴァッド・ギーター」とは、どんな物語なのか、一体どんなことをどんなふうに多くの人々に伝えようとしているのか、ということを、とってもわかりやすく解説してくれている上村勝彦さんの著書「バガヴァッド・ギーターの世界」を使って、紹介しています。

 

今回は、バガヴァッド・ギーターの大まかな内容や物語の流れについて、見ていきます。

バラタという王がいて、そこから子孫ができるんですが、次第に王位継承問題や権力争いが起きて、親族間で領土をめぐり戦争になるところからバガヴァッド・ギーターの物語は始まります。

いよいよ合戦が始まり、争っている二つの軍の一方「パーンダヴァ」に属するアルジュナという戦士が、戦うべき敵軍を見渡したとき、そこに自分の親類や友人や自分の師と仰ぐ人たちが大勢立っているのを見て、嘆き悲しみ心乱され、弓矢を捨てて戦車の座席に座り込みます。

そこで御者を務めていた親友でもある賢者クリシュナ(実は最高神の化身という設定)は、心の弱さを捨てて戦えと励ましますが、敵側にいる自分の親類や友人たちを殺してまで自分は生き延びたいとは思わない、戦えない、と告げながらも、どうか迷っている自分に教え導いて欲しいとクリシュナにお願いします。

そこから、クリシュナがアルジュナに、様々なことを教え説いていくのですが、それがまさに『ヨギー』としての生き方やそういう生き方をするとどうなるのか・・・、というような、私たちアシュタンギーが追求していくべきことなのです。

だから、アシュタンガヨガを学ぶ人は、このバガヴァッド・ギーターを読むことを勧められるわけなんですね。

ちなみにこの中には、日本の文化や社会で現代に生きる私たちにはちょっとピンとこない内容もありますし、半分は瞑想の実践を行う上級者向けの内容でもあるので、そこは省いて、アシュタンガヨガの初級者にとって、特に知っておくと良いと思える内容のものをピックアップして、ご紹介したいと思います。

  • 不滅の存在(p37~)
  • 平等の境地(p49〜、p121~)
  • 調和のとれた生活(p121~)
  • 瞑想の実践(p109〜)
  • 正しい生き方(p207〜)
  • 三つの構成要素(グナ)(p246~)

こういったことを、賢者クリシュナはアルジュナに教え説いていきます。

その結果、最終的にアルジュナの迷いは消え、激戦ののちアルジュナ側の軍の勝利に終わりました。
ということです。

さあ、いよいよ次回からは、クリシュナが説いた内容についてその項目ごとに、紹介します。